[山形市]元木・白山・龍山川の畔 冬ばどがして春割り込む(2026令和8年2月22日撮影)

「あのヤクルトさは人が入ってんのんねがず?」
「こだい暖かいと中はキツイべね」
車の窓は開き腕が出て、手前の積み上げられた雪はキラキラ輝く。

おばあさんが影の尾を引き買い物帰り。
その背中には春の日差しが覆いかぶさっている。

突然の春の襲来に竜山川を散歩する人もちらほらと現れる。
「いつもだったら散歩どころか、雪で歩ぐごどすらでぎねよ」
川面は空の青を取り込んで一緒に流れていく。

土手から竜山川へ降りる階段。
土手の影も手摺の影もギザギザ模様で奏であう。

白山神社の空高く、もっさもさと枝が伸びている。
春の陽気を一粒も残らず取り込む様に。

「退屈だぁ」
「退屈っていうのは幸せなごどなんだじぇえ」
フェンス網の向こうに立つスコップと箒は、
この陽気に気持も体もだらけそうになる。

この辺りは昭和の頃ってどんな光景だったのだろう?
少なくとも六小より南には小学校などなかった。
つまり一面の畑や田んぼだったに違いない。
ということは白山神社は畑の中にポツンと建っていたのだろうか。今は昔。

スターバックスが背後にあっても山形縣は全国と横並びにならずに、
確固たる山形縣らしさを確立している。
雑草の中だげんと。

橋のたもとのスターバックス。
その橋の影は太陽の傾きとともにどんどん右へ伸びていく。

5・雑貨堂・速度厳・お願い、そして営業中。
「なにを言わんとしているのか、一旦頭の中で整理してがらの方がいいのんねが?」

竜山川へ伸びる枝は青空に広がり固まっている体をほぐしている。
そしてもちろん小さな芽が少しずつ膨らもうともしている。

この樹木をスマホで読み込んでみた。
AIによると「真夜中に動き出しそうな、アニメの世界のような雰囲気を持っています」だど。
「こりゃ参った。コメントば考えんのもAIさ任せだほうがいいのんねがはぁ」

「眩しいったらぁ、辺り一面真っ黄色だぁ!」
前回はイヌノフグリが咲いていることに驚いたが、
今回はフクジュソウの放つ芽を射るような黄色に驚かされる。
「ゆておぐげんとよ。まだ二月なんだがらね」

「今年は楽でいいま」
老ベンチは背中に日を浴びながら昔日を振り返っている。
「様々な人が座たなぁ。子供のちっちゃいけっつ、くっさいけっつ、骨ばったけっつ」
どれもこれもいい思い出だと、錆付いた背骨を労わりながら過ごす日々。

手作り感が辺りの空気をほのぼのとさせる。
「なおちゃんてどだな人だがしゃねげんとよぅ」
その丸っこい書体から人柄を思わず想像してしまう。

「おらだの立場ないずねぇ」
「春なたらおらだどうすっどいいんだべ?」
「さすかえねぇ、若く新しい芽がででおらだなのあっという間に土さ還っていぐがら」

つくばいに集った落ち葉たちは、みんな重なり合い、
お互いのぬくもりと水の暖かさを感じながら、じっと体の朽ちていくのを待っている。

「普通だらこだんどご真っ白な雪原だべていうのよぅ」
「やっぱりお天道様には叶わねな」
「んだお天道様の機嫌一つでおらだは右往左往っだな」

「なにがの蛹(さなぎ)だが?」
「ただ葉っぱがくちゅくちゅて丸まっただげんねがよ」
「触ってみろ」「やんだぁ」
心の葛藤が続く間も、ポキッと折れた茎はピクリともしない。

「この横断歩道みだいな影はなんだ?」
「見っど分がっべず。右側さ並木が並んでっどれ」
消火栓は地面から少し浮き上がってカメラ親爺を上から目線。

「一足早ぐ春が来たもなぁ」
「歩ぐの早いず、ちぇっとゆっくり歩いで」
おばさんは三歩ほど早く歩くおじさんに声をかける。
竹林は微笑ましく思いながら二人が去るまで見つめていた。

よっくど近づいて見ると、にょろにょろと小さな指が何本も蠢いている。
何の芽かさっぱり分からずいろいろ調べてみた。
結果は牡丹でした。
「ウドだったら天ぷらにして食うどごなんだっけげんとなぁ」
それにしてもあの艶やかな牡丹の花とは驚きだ。

対岸でくつろぐ子供たち。
やっぱり部屋でゲームばっかりだど飽きるんだべな。
カメラを向けて手を振ったら振り返してくれた。

日本最古の石鳥居は小路の奥で冬ごもり。
若い人々は暖かさのために上着を脱いでいる者もいるし、誰もブーツなの履いていない。
「石鳥居はものすごい年寄だがらまだ外套ば脱がんねがしたぁ」

おばあさんは先頭に立って橋を渡っていきました。
おじいさんは荷物を引き摺って背を丸めながらおばあさんの後をついていったとさ。

「なえだてまだ道路拡幅工事終わっていねんだがしたぁ」
「歩道は出来だみだいだどれ」
「ほう言えばよ、ガソリンスタンドどが日本料理のいばら木どがどさいったんだぁ?」
街は刻々と姿を変えていく生き物だ。

べごの胴体は街を映す鏡のようだ。
太陽も車も地面もみんなべごの胴体に吸い込まれてゆく。

正面に周ったらそこをどけと睨まれた。
あんな角で突かれたらたまらない。
「どうれ撮影も潮時だびゃあ」
今冬初めての手袋もせずマフラーもせずの撮影は終わり。あ〜汗かいだぁ〜もぅ〜。
TOP