◆[山形市]べにっこひろば 熱波の中に子供のオアシス(2019令和元年8月5日撮影) |
数年前に山形市の北部に出来た、子供のオアシス「べにっこひろば」。 「山形の子供て紅花の子供なんだがしたぁ」 「紅花さはトゲあっから気ぃつけらんなねぞぅ」 |
「暑くて頭から歯車がほろげ落ぢでしまいそうだずはぁ」 「ほろげだら何にも考えねくていいぐなっべした」 子供の頭の歯車はまだ柔らかい。 |
「地面暑っづくてタイヤ溶げるはぁ」 タイヤさえ地面に着いているのが嫌になる36度越え。 |
「ぺっしゃんこだどれはぁ」 ひよっこりひょうたん島みたいに膨らんでいた小山は、 暑さのせいで地面へべろりとぬだばっている。 |
滑り降りた後は尻を氷で冷やさなければならないかも知れない。 |
虫食いの葉っぱの奥に、済生病院と北ジャスコが見える。 |
コケコッコは熱でうなされ、体中真っ赤。 その先には冷たいドリンクの自販機があるというのに。 |
やる気を失いぬだばったホース。 体中の筋肉が弛緩してピクリとも動かない。 |
「ほだいずっと口開いっだら、喉カラカラなんべな」 のどちんこの蛇口は捻って水を出しても、自動で戻って止まるようになっている。 |
さすがのひまわりも背を低くして、 太陽から少しでも離れようとしている。 |
ベンチに涼む親たちは、背中に葉っぱの影を貼り付けて、 その目は子供を追っている。 |
木陰の少ない広場を右往左往して、 結局は建物の陰に逃げ込むしかない親子たち。 |
「灯り点けっど虫が群がっべ。ほいずど同じっだな」 地表からピュッピュと飛びだす噴水に群がる人々。 |
日差しは遠慮を忘れ、本性をむき出しにしてくる。 人々は日頃の太陽への感謝を忘れ、頬被りしてしまう。 |
玉がコロコロと転がる脇で、 子供は濡れた片手を石に付き、無心にサンダルを洗う。 |
雨は上から降るもの。噴水は下から上がるもの。 上下が反転した世界が楽しくて堪らない子供たち。 |
「どさくさにまぎれてしてんのんねべなぁ」 むぐす感覚が蘇る。 |
「朝、顔洗てきたんだが?」 女の子はおなかをぷっくり膨らませて聞いている。 |
いい顔でポーズをとっても、顔には飛沫。 |
「はしたないべな」 気持ち良すぎると、お行儀などすぐに忘れてしまう。 |
「女の子なんだがらぁ」 気持ち良すぎると、周りの目などすぐに忘れてしまう。 |
「風呂んねんだがら頭なの洗うなずぅ」 「頭のネジが緩まねように、頭ば冷やしったの」 |
「どごばいじったのや」 「縮んでどごさいったが分がらねぐなたの」 |
水の入った風船をパシッと掴んだら、弾けてしまったその瞬間。 と見えなくもない。 |
水遊びがあんまり楽しくて、体は空中に浮遊してしまった。 |
「ほだんどごさ居だら踏んづけられっべな」 舞っては降りるを繰り返すアゲハチョウ。 |
子供達の歓声と噴水の飛沫の中に紛れ込んでしまい、 このまま涼をとるべきか、リスクを回避して炎暑の中へ逃げるべきか迷ってしまう。 |
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