◆[山形市]霞城セントラル 上から目線で寒鱈まつりin山形(2019平成31年1月27日撮影) |
晴れた空からハラハラと粉雪が降りてくる。 空気は凜として冷たい。 ということで元来の無精心がムクムクと湧き上がり、寒さの中での撮影はやめて霞城セントラルの中へ。 |
いつもならビルの柱が寒風に耐えながら唸っているだけの場所がかしましい。 庄内の味を求めて、山形市民が詰めかける「寒鱈まつり」。 |
見てくれは悪いけど、これが旨いんだ。 山形盆地は食の宝庫だとはいえ、海産物だけはなんともならん。 |
秋は気仙沼のサンマに舌鼓を打ち、冬は寒鱈に舌鼓を打つ。 盆地の真ん中で海の幸を堪能できることに感謝しなければならないな。 |
庄内では当たり前の光景も、 山形市民が見ると「おおッ!」となる豪快さ。 |
「磯の香りが堪らないぃ。」 ヨンダレが垂れそうになるのをこらえながら、冷たいカメラを握る。 |
「鼻水垂れそう。」 「のごてけっか?」 「食てがらでいい。」 じいちゃんは自分が食べるのも忘れて、孫の口元に箸を運ぶ。 |
人の食べる姿を上から目線で見るのは心苦しい。 一心不乱に箸を動かす姿は微笑ましい。 |
「寒鱈食たがーッ!」 「んまいっけがーッ!」 念珠ヶ関弁天太鼓の音は圧倒的な音量でゴンゴンと耳に響く。 |
笑顔と大音量で寒鱈まつりを盛り上げる。 |
寒鱈を盛った器の中では、 おそらく汁に波紋がたっていることだろう。 |
ばかでかい葡萄の房も、 今日ばかりは寒鱈に主役の座を譲る。 |
念珠ヶ関弁天太鼓の音が耳に残る中、 いつもの県民会館の進捗状況を見に24階へ。 |
ずらっと並んだ車のボンネットや背中がキラキラと輝いている。 どんより曇った天気に慣れた市民は、目をシカシカしながら歩いている。 |
人間に異端児がいるように、車にも型にはまりたがらない者がいる。 異端車は誰も踏み入れない雪原にタイヤ痕を残し、人の足跡を踏みつける。 |
あれっと思ったら正解。 この交差点には20年間サクランボの絵模様石畳が敷き詰められていた。 あんまり踏みつけられるものだから、痛々しいサクランボは取り払われたらしい。 |
縄文のビーナスが冷たい雪原に横たわる。 脇を行く人の影も同じ角度に地面を這う。 |
「ほれ、あそごよあそご、見えねがよ。」 「ほだごど言わっでも皆白くてわがらね。」 24階へ上れば、皆必ず自分の家を探すのが常。 |
誤解されると困るので最初に断っておく。 けっして女子高生(JK)の尻を撮ったのではない。ホントホント。 あの靴底を見て欲しい。 かかとには金属のスパイクが見える。 他の女子高生もみんなそうだった。 なんぼ溝の深い靴を履いても、凍った路面では無力だということがよく分かる。 |
「めんごいべぇ。」と言わんばかりのポスターの隙間から、 寒鱈まつりを楽しむ人々の喧噪が流れ込んでくる。 |
なんと山大のジャグリング部までが、寒鱈まつりの応援に駆けつけた。 その手さばきに見とれつつ寒鱈の箸が止まる。 演技の間隙を縫って再び箸が動き出すという繰り返し。 |
「芋煮の具になりきった気分はなんたっす?」 |
「なにしったんだべ?」 「なんだがいつもと違う匂いがすっじぇ。」 「寒ダラんね?」 「寒鱈はんまいんだじぇえ。」 「アナウンサーは噛んだらんまぐないべずね。」 |
華やいだ雰囲気の中で二人っきりで食べる寒鱈。 といいたいところだが、周りは喧噪がうなりを上げ、 とてもしっとりと二人の時間を堪能するという状況じゃない。 でも、二人には周りの喧噪は聞こえないか。 |
「山形も負けでらんねがらよ。早ぐ餅つきの準備ばすっべ。」 そんな様子を左上から決めポーズの女の子が、 右上からインフルエンザを恐れるマスクの高校生が眺めている。 |
勇壮な餅つきを目の前で見られる二人は興奮気味。 スマホを持つ手に力が入る。 |
納豆餅は最高だべなぁ。 撮影に徹する私は想像に涎を垂らすしかない。 |
子供の成長は親にとって最高の喜び。 父親は子供の杵に手を添え、 母親はスマホに手を添えている。 |
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