◆[山形市]山形大学 平成最後の八峰祭(2018平成30年10月21日撮影)

快晴の空と乾いたグラウンド。
その狭間でカーンと響くボールの音。

五小敷地と道路に異様な高低差がある。
五小出身ならその理由を知っている。

ぷっくり膨らみ空中に浮くのは何の実?
山大の学園祭へ急ぐ人々は見る余裕がないかも知れない。

真新しい山大周辺図。
山形でもこの辺りだけが開発から乗り遅れたように、昭和感がたっぷりなんだよねぇ。

「大変だねっす。」
「ほだごどないっす。一時間で交代だし。」
こんな会話を一応共通語でしたはず。

校舎の方からさざ波のように賑わいが伝わってくる。
でも、グラウンドには秋の陽がゆったり広がり、のんびり感が漂う。

湿り気を帯びた切り株は、もうすぐ訪れる冬に体中で構えているようだ。

「ムンクの叫びだが?」
「どごが?」
「あの穴ポコの形ば見でみろ。」
「いわっでみれば、んだがなぁ。」
穴ポコは秋の乾いた空気を思いっきり吸い込んでいる。

どこが水平なのか分からない。
つまり何を信じたら良いのか分からなくなる空間。
はっきりしているのは年月とともに壁が剥がれていること。

「日向ぼっこがぁ?」
「気持ちいいくて、寝でしまいそうだはぁ」
泥はカチャカチャに乾き、洗わなくても叩けばパラパラ落ちる?

この生活感というか、汗臭い部室感が堪らない。

今日の空は吸い込まれそうなほど透き通った快晴。
八峰祭に集った人々は、体育館のイベントに次々と吸い込まれていく。

「なんだがうらぶれ感が漂ってるんだげんと。」
「ほだごどないっす。はち切れんばかりの若者だっす。」
覆い被さる木の下だけが、なんか湿っぽいぞ。頑張れぇ。

秋の草花が発光し、行き交う人々に見てくれとアピールしている。

学園祭日和の今日は、草花日和でもある。

ゴムホースは、ペットボトルに嫌らしく絡みついて離れない。

あがすけな紙は本来皺一つないまっさらな気持ちだった。
しかし、学生たちに揉まれるうちに皺くちゃになったんだ。
その皺は太陽光の加減で浮き上がって強調されている。

木漏れ日は、思い思いに掲示板へいたずら書きをしている。

近頃のパンダはVサインを覚え、人間にすり寄るようになってきた。

「肖像権の問題もないがら、自由に撮ってぇ!」
プーさんは低音の男の声でアピールしてくる。

山大の学生は半分以上が県外出身。
なのに学園祭では玉コンが幅をきかしている。

不思議な世界に目が釘付け。
でも、ジャガイモのビニール袋はしっかりと握って離さない。

芸を見る目は眼鏡が大半。
みんな勉強のしすぎだが?それともゲーム?

晴れの舞台に緊張が全身を巡る。
練習の成果は出ていたと思う。
笑顔が出れば満点だった。

学園祭は出会いの場であると同時に、腹を満たす場でもある。

「八小も出前が?」
「んねんね。テントば借りだのっだなぁ。」

正門から一番近いところに野菜屋さん。
これぞ山形。地域色満載。

空の青さに、益々銀杏の黄色が映えてくる。
自転車はあまりのまぶしさに背を向ける。

山大は固い絆で結ばれる。
その手はちょっと汗ばんでいねが?

これはスポンサーの広告?
いずれにしても踏むには忍びないので脇を歩くことにする。

学園祭には裏方が必須。
ゴミの山の前で、疲れた体に秋の日差しは容赦ない。

「早ぐあべはぁ。」
犬ころは暖まったグラウンドの上でころころ転がり、
嬉しさを全身で発散する。

さすがに学生のすることは分からない。
ぶら下げられたペットボトルは、千歳山を眺めながらプッと膨らむ。

空へ向かって勢いよく立ち上った夏の蔓は、
秋を迎えて、どうしたらいいか戸惑っている。

山大の学園祭を見終え、街に出る。
学生街には他の街と違った匂いがする。

「時刻ば写していがんなね。」
「ほっだな、パシャってスマホで写せば済むごどだべした。」
世代の違いは指の使い方で分かってしまう?

桜の木の影に触れないように通り過ぎる。

もみじ公園に来るにはまだ早すぎるようで。
緑が赤に勝っている。
でも、赤い車は邪魔くさい。

雪止めに絡まる落ち葉。
清風荘の屋根に雪が積もるまで、あと幾日?
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