◆[山形市]第7回 日本一さくらんぼ祭り(2018平成30年6月23日撮影)

県営駐車場に車を駐めて、いきなり良いことがあった。
なんと入り口で見目麗しい女性が、パックに入ったサクランボを配っていた。
車を駐めてサクランボをもらえるなんて、山形しかないべな。
そんな嬉しさを噛みしめながら、駐車場の五階から文翔館を眺める。
「端じっぽでは月山も残雪ば見せっだどれ。」

「赤いアジサイなて珍しいのんねんんだがず。」
「今日はさくらんぼ祭りだがら、花びらさも色付けだんだべが?」

「まだお祭りは始まていねじぇ、早くてくたびっだがはぁ。」
オトギリソウたちが背後から囃し立てている。

「頭痒いごんたら掻いでける。」
「いだずらしてねで、ちゃんと見でろ。」
「んだて、背広来った人の話なの、学校の先生の話よりおもしゃぐないもの。」

「今から担がれんのがぁ。大変だなぁ。」
「人間が担がれんのは、その気にさせられるどが、人にのせらっでしまうみだいな意味だがら恥ずがしいべげんと、
おらほは担がれっごどは嬉しいばっかりだもなぁ。」
立派な御輿は、担がれることに誇りを持っている。

ビガビガに輝く鈴が360度を睥睨して、しゃねふりして光景を映しこんでいる。

「待ってんのもくたびれんま。」
「あんまり挨拶が長いど、ゴムの底が地面さぺたっとくっついでしまうはぁ。」

どだなごどするんだがど思て、市民が次々と文翔館の正門を期待を胸に入っていく。

「俺が子供の頃から、赤ちゃんば抱ぎ続げでいるんだじぇ。」
「赤ちゃんの本当の年齢は何十歳なんだべなぁ。」

「ほごまでして顔ば見せっだぐないのが?」

バシャバシャと弾ける噴水の前を、創作御輿がしずしずと七日町を目指していく。

市役所の前は、ダンスが始まり、御輿が通過し、清濁併せのむ状態。
表現がまずかった。熱気が交じり合う状態だぁ。

「トリック オア トリート!お菓子けねどいたずらすっぞぉ。」
「それはハロウィンだがら。」

麦わら帽子の似合う季節がやってきた。
「麦わら帽子ばひっくり返して、サクランボば山ほど詰めで食たごんたら満足だべなぁ。」
「腹壊すべげんと。」

「若いっていうだげでアドバンテージになんべず。」
アドバンテージを活用することなく若者時代を終えた中年カメラマン(俺)の嘆きが頭を巡る。

「髪の毛があるというだけでアドバンテージっだべず。」
アドバンテージが限りなくマイナスになった中年カメラマン(俺)が羨ましがる。

文翔館に見送られ、御輿は担ぎ手達に身を任せて七日町へ。

「すごい色だずねぇ。チクロが入ったのんねがよ。」
「チクロなて知ってんのは昭和中盤生まれの中年だげだがら。」
チクロを知っていたら50才以上。

「じょんだのぉ。」
さすが酒田を拠点とするアランマーレは庄内弁。
「初めてアランマーレの選手ば間近にして、嬉しくてLLサイズのTシャツ買ったっけはぁ。」
今思えば、あん時なしてサインしてもらわねんだっけべなぁと後悔する。

「ハイ、アタックのポーズでぇ。」
「吊り糸は写真さ写らねがらのー。」
「馬の鼻先さニンジンばぶら下げでんのど同じだんねが?」

街路の花たちは、歩行者天国の人々を珍しそうに静かに眺めている。

「あたしだも参加すっだいぃ。」
草花たちは、ざわめきの中へ頭を突っ込もうと背伸びする。

「なえだて様々なイベントがあるもんだずねぇ。」
キャラ達の表情が活き活きしているのはイベントのおかげ?
「んね、イベントさなの関係なぐ、ものすごく作り方さセンスば感じる。
パソコンの前さ並べで置ぐだぐなんもの。」

「なにしったんだべなぁ?」
石垣にずらっと並んだ足先が、思い思いに少年の行動を見守っている。

「氷」がそよ風に翻る。
御殿堰のふづりに涼を求める人々が垣間見える。

屋根の雪止めが整然と並び、御殿堰の水も穏やかに流れる。
日傘は揺れながら宙に浮き、麦わら帽子がすいすいと通り過ぎてゆく。

「めんごい顔が隠っでしまたどらはぁ。」
「んだっす。肖像権があっから、顔は見せらんねっす。」

涼やかさをまとった木調の壁の向こうに緑がまぶしい。

「なえだずはんばがてぇ。」
「焼きそばば誰からも捕らんねように、守ったのっだなぁ。」

鬱屈した気持ちが表れてしまっているてるてる坊主。
「んだて、太陽が顔出さねんだものぉ。」
「目の前は圧迫感のあるビルの幾何学模様だべしなぁ。」

七日町の中心地。
花笠と初市とさくらんぼ祭りの中で、一番の人出はどれだろう?

「しわくちゃだどれ。」
「んだっだな、冬の間中袋の中さずっと仕舞わっでだんだがら。」
夏の間に皺は自然に消えることだろう。

子供は原色がお好き。
中年(俺)にはまぶしすぎる。

「さくらんぼ祭りなんだがら、一応写真ば出しておがんなねべ。」
「ゆておぐげんともよ、山形人はさくらんぼなて買うごどなのないべ。
んだて、必ず割っだやづどが貰えるし。」
「んだず。あどいいはぁてゆうくらい貰える。」

天を突くくらいに頑張って舞う、山大のグループ四面楚歌。
土日というと、必ずどこかのイベントに四面楚歌が現れる。
「ほだい頑張て、ちゃんと報酬ば貰てんだが?」

淀んだ熱気を振り払うように、若いパッションが躍動する。
「パッションなて横文字使うな。よっく分がりもすねで。」

「ほだいドンドコ太鼓ば叩いだら、空から雨が落ぢでくるんねがよ。」
「雨乞いのイベントんねがら。」
空の薄雲の表情に変化はないようだ。

「あんまりズンズン響いで、シックスパッドより効きそうなんだげんと・・・」
しばらく近くにいると、腹回りが締まったような気がしてくる。

アズの前は道路から引っ込んでいるので、人々が滞留しやすい。
そんな人々をウインドウが見つめている。

「SALE?」
「よっくど見でけろ。スカートさ風船おじさんが映り込んでいだべ?」
それだけで何かのイベントが行われていると分かる。

「シンメトリーてなんだがおもしゃい。」
女性はウインドウに映る自分の姿を見て通り過ぎていくだけなんだなぁ。

相変わらず小路(隙間)があれば入り込みたくなる性分。
暗がりに並べられた自転車を伝って、さんざめきが流れ込んでくる。

なんだべ?と思い覗き込んでみた。
なにやらすこだまさくらんぼを貰えるらしい。
カメラを構えながらも、イベント自体をよっくど理解していないのでした。

「裏を捕れ!」
それはサッカー。
「裏を撮れ!」
これが撮影の極意。

音楽はタイムスリップマシーン。
楽器の音色があっという間に私を学生時代へ連れて行った。
あの頃はまだまだヘルメットを被った学生が駅前でビラを配り、
学校へ入るにも校門前で学生証を見せないと校内に入れなかったなぁ。
おじさんが若い頃の学生は、熱量が「半端ない」状態だった。
今は腹回りの脂肪が「半端ない」。

地べたの熱がケッツに伝わろうが、
大道芸の面白さがその熱さを上回る。

七日町のスクランブル交差点に座れるなんて滅多にない。
たとえ熱くて自分の体がスクランブルエッグになろうとも、この体験は貴重だ。

「ヒャーッ!俺ば睨んでだ!」
「佐清(すけきよ)か?」
※佐清は横溝正史のミステリー「犬神家の一族」に出てくる仮面を被ったキャラクターです。

警備のおっちゃんは子供達を眺めながら、
自分の子供の頃を思い出してでもいるのだろうか?
暑い中、長袖に制帽でご苦労様。

「ヒャーッくたびっだぁ、御輿担いで足が棒みだいだはぁ。」
旅の恥はかきすて。足袋の中はムンムンムレムレ。
この疲れが御輿の担ぎ手には心地良いらしい。

曲芸に引きつけられ、観衆は顔の表情が素になっている。
素の表情って、普段はなかなか人前で見せられないからね。

「ダンクシュート!わずか1メートル足らずの子供がダンクとは!」
ワイヴァンズの選手は、ボールを抱えず子供の体を両脇から抱えて腕の筋力強化中。
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