◆[山形市]諏訪神社・もみじ公園 まぶしさにもほどがある(2018平成30年1月14日撮影)

このところの寒気は肌に痛いほどだ。
けれども日中の太陽のまぶしさといったら、これも瞳に痛いほどだ。
日陰と日向の明暗差も痛いほどにきつい。

「何年か前の朝ドラが?」
「まれに危ないがら気をつけろていうごどんねがや?」
よーく見ると「止」の漢字が消えている。

「まんず○×▲□だまぁ」
「んだずま、◇※↑↓◎だもねぇ」
山形弁なのは理解できるが、意味が分からない。
まだまだ自分は山形弁の奥深さを知らない初心者だ。

もしかして雪道デビュー?
母親はいつでも手をさだして子供を支えられるように、指先が緊張している。

もっこらと積み上げられた雪は泥が付いていたが、
うっすらとまた降り積もったものだから、マシュマロのように食べれば美味しそうだ。
「ほっだなもの誰が食うんだず!こばくさい」

「いづのこめが、綺麗な案内版が建ってだんだどりゃあ」
「しかも英語・韓国語や中国語も併記さっでだじぇ」
確かにどさ行っても必ず外国の方々の言葉が飛び交っている。

「ほっだい太陽ば真っ正面に見づめで、目シカシカならなが?」
「おいどんには子供たちを安心安全に運ぶ使命があるんだっす。」
太陽を見つめることと何の関係が?しかも薩摩言葉になってるし。

「静かにすろどぉ。」
「おまえだべうるさいのはぁ。」
「おらしゃねぇ。」
「少し黙てろず。」
自転車たちは静かにの張り紙をかなり意識している。

「枝」の文字だけが差し替えられている。
元々は「雪」だっけのか?
それとも「第」だったのか?
いや「涙」ってこともあっべ。

真っ青な空に真っ赤が際立つ。
諏訪神社の境内。

今日は諏訪神社のどんど焼き。
燃やすのは夕方かららしいが、
人々は次から次へと注連飾りなどを片手に訪れる。

日が暮れれば、空に浮き上げって見えるのだろう、ぼんぼりの列。

「んだっだべなぁ。燃やす人も大変だずねぇ。」

「どさ?」
「ほさ」

これだけの快晴だと、なんだかウキウキしてしまう。
お太鼓橋も本殿も輝いて見えるし。

空が青いと水面も青く染まる。
その中を悠然と泳ぐ鯉。

ネコヤナギの芽も膨らんで光を放つ諏訪神社。

強烈な光は、歩道にテカテカと反射し、自転車の影を真っ黒にする。

真冬の太陽は低い位置から狙ってくるので、真昼でも影は長い。
日差しを背中に、足元に影を従えて歩けるなんて、冬の山形では珍しい。

案内版の向こうに、千歳山や竜山がすっきりと見える。
山形人はこれらの山の見え具合で、精神状態も左右されるらしい。

「おまえまだ頑張ったっけのが」
何年か前に同じ看板を撮っている。
そのときはそろそろ終わりだと思っていたのに、なんとしぶとい看板よ。

注意書きがギラリと光る。
この季節にこんなにまぶしい物を見るのは、冬モードの目にはきつすぎる。

あっちこっちでワイパーが立つ。
左右のワイパーはそれぞれ千歳山と竜山を見ているようだ。

大雪の降った新潟や金沢に比べれば、
山形はたいしたことない。
だって自転車に乗る人がいるくらいだもの。

てるてる坊主は、雨が降らないようにだけつり下げられるわけじゃないんだな。
今日は効果覿面で快晴だ。

諏訪神社から小径に入り、
しばらくしてもみじ公園が近づいてきた。

軒下の植物は枝に氷をまとってプルプル震えている。

細道だらけの界隈で、その先を望めば霞城セントラルがすっきり見える。

溶け出した雪がアスファルトに溜まる。
その水面に映し出すのは電信柱と白い雲。

真っ白で幻想的な世界が広がっているかと期待してきてみたものの、
すっかり枝先の雪が落ちて、裸の枝がツンツン伸びるもみし公園。

雪釣りは天に向かい二等辺三角形。
軒から下がるつららは地面に向かい、牙をむく。

キロキロに太ったつららが我が物顔に地面を目指す。

時折見物客が訪れるのだろうもみじ公園。
その足跡の上に紅葉の影がゆったりと横たわる。

池の底まで見通せる静かな園内。
太陽はゆったりと水面に腰を落ち着ける。

雪釣りの結び目の向こうをジェット機が遠ざかる。
晴れやかな空を見て、心も晴れやかになった日曜日。
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