◆[山形市]嶋遺跡公園 太陽の下で(2017平成29年8月10日撮影) |
お盆期間中の天気予報をつらつら眺めたら、ずーっと曇りか雨。 これはまずい。太陽を拝めるうちにと近場の公園へやって参りました。 |
竜山を見れば、てっぺん付近に雲がわだかまっているものの、 大空は筋雲が気持ちよくスイッスイッと伸びている。 |
背後から中年親爺がそーっと近づいてくることにも気づかずに、 女の子たちはヘンテコなポーズに夢中。 |
この際だからと、撮影の許可を得て、もっとヘンテコなポーズをとってもらう。(もちろん顔は不可だった) なんと素直な女子高生。おじさんはシャッターを切ってご満悦。 |
UFOが不時着したみたいな遊具が、このごろあちこちに増えている。 いや、大きな鏡餅がビダーッと落ちたような遊具だべ。 |
ツルッとした肌の巨大鏡餅には、子供たちの影がビローンと伸びて張り付いている。 |
太陽がやや傾き始めた。 この太陽はあといつ拝めるか分からない。 いまのうちに思う存分浴びておけよ子供たち。 |
「おんちゃんは怪獣んねんだがら」 「ガオーッやっつけでやる」 すぐ隣に母親が居るだけで気が大きくなり、変なおじさんへかかってこようとする。 |
嶋遺跡公園は広大だ。 この広大な敷地のどこが遺跡なのか皆目分からないし、遺跡らしきものもどこにあるか分からない。 |
「ブランコなの見っど、子供の頃ば思い出すのよねぇ」 お母さんも思わずブランコに揺られてみるが、完全に子供に戻れるわけもなく、 その影はどこか堅くぎこちない。 |
この頃の遊具は合体に合体を重ね巨大化している。 その形は複雑に絡み合い、子供たちの遊び心をいやが上にもくすぐってくる。 |
やけに茎の太い花が空に向かっている。 雨の日は雨を受け止め、晴れの日は太陽の光を受け止め、 その足元には子供たちがじゃれついてくる。 |
筋雲を受け止めるかのように空に浮かんで滑り台が銀色に輝いている。 |
「髪の毛が乱れでしまたどれはぁ」 「ほだなごどどうでもいいくらいおもしゃいんだもーっ」 自力でぶら下がり空中を滑っていく感覚に女の子は夢中。 |
「上から人が滑ってくっどれ。下から登たら危ないべ」 「ほだごどゆたて、おもしゃいんだも」 「けっつさ、指かんちょうしてけっぞ」 |
よく見れば「のぼらないでね」て表示してあるんだどれ。 ん?右から読めば「寝でいんな」て書いてある? |
「オラオラオラーッ!」 男の子は自分を格好良く見せるために、怖くないぞといわんばかりに大股だ。 |
「おかないーっ」 女の子はことさらに女の子を強調するために?少しずつすり足で進んでいく。 |
遊んでも遊んでも飽きることのない遊具。 男の子はすでに裸足。 びっくりしたのはこの地面。子供たちが遊具から落ちても安全なようにグニャグニャのフカフカなんだなぁ。 |
明らかに室内でゲームをしているときより目が輝いている。 やっぱり現代っ子でも外で遊ぶと人間の本能が目覚めるようだ。 |
「じいちゃん、ぶら下がるやつ持てこい」 え、じいちゃんさ偉そうに命令すんのが? |
それでもじいちゃんは子供のいいなりで、 子供の一挙手一投足を心配げに見守っている。 「孫ずぁめんごいまぁ」 |
「おもしゃい〜!」 「分がた分がた。その気持ちは道路向こうの看板さ書いであっどれ。「るんるん」て。」 |
家の中じゃ、こんなに思いっきり飛び跳ねることは不可能。 日頃のもやもやを吹っ飛ばすように、広い公園の真ん中で思いっきりジャンプ。 |
「ん?なんだが不穏な感じがする」 これからどうなるか、とりあえず様子を見てみるか。 |
「ほりゃあ、やっぱり外っだぁ」 でも、水を触っているだけで喜びを感じるんだね。今の季節は。 |
「おんちゃん、あどいいがぁ」 「よし。撮ったがら降りてもいいはぁ」 ぶら下がっているところに写真撮らせてけろといったものだから、 少年は律儀にいつまでもぶら下がっていた。 |
「なしてブランコさ乗らねで、鉄防さぶら下がてんのや?」 子供の頃はそんな、やじゃがね偏屈者が必ずクラスにいたものだ。 |
「その足の曲げ具合は、女の子みだいだどら」 ブランコを漕ぐと、思わずその子の本性みたいなものが見えるときがある。 |
「どだい高ぐ漕ぐいや?」 少年を挑発した途端、思いっきり漕ぎ出して、あっという間に空へ届くほどに高くなった。 「危ないがら、ちゃんとたづいでろよ〜」 |
「かだっぽ無ぐしたのがぁ」 遊びに夢中で片一方のサンダルを無くしたらしい少年は、そのまま公園を後にする。 家に帰って親からごしゃがれるだろうことは想像に難くない。 |
公園から帰り、西の空を望む。 本当に明日からしばらくは天気が悪いのだろうかと疑いたくなる綺麗な光芒。 |
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