◆[山形市]初市・冬の花火in霞城公園(2016平成28年1月10日撮影)

「あの螺旋階段。この手すりの曲線。しゃねあてゆたら山形市民んねもな」
一世代前の八文字屋の記憶は霞んできたが、
現八文字屋が出来たときは、なんとオシャレな建物が出来たと喜んだ。

東側からの入り口もオシャレ。
とにかく山形にオシャレな都会の雰囲気を連れてきてくれるのが八文字屋だった。

螺旋階段の外壁にはさび付いたオブジェがぶら下がる。
これだって今までの山形にはなかった洒落た雰囲気をもたらした。
造られたのは山形出身の著名な鋳物作家。
この作家の作品を直接触ったことのない山形人はいないと思う。
だって、八文字屋のガラス扉の取っ手が作家の作品だもの。

八文字屋の鋳鉄文字が年月を経ても黒々としている。
そんな折、AZ内の書店が撤退し、AZ内は2〜3階ががらんどうになるらしい。
鋳鉄文字よ、苦難の時代をよく耐え抜いたな。

「七日町から文翔館まで道が埋め尽くさっでだじゃぁ」
「普段なら地面が丸見えなんだげんとなぁ」
山形のどこにそんなに人がいたのか分からない。

猫の目線で町を見てみた。
それなりにビルが建ち並び、今後は結婚式場なども出来るという。
空洞化も進みながら、新たなビルも少しずつ増えていく七日町。

AZの壁面が太陽光でキラリと光っている。
一階に仙台の藤崎が進出し、ダイエーの一階には三越が進出している。
山形は仙台頼みの町になってしまったのか。

「なんぼやっす?」
「20万」
「ホーッ」咄嗟にそんな言葉しか出なかった。

キラキラのショーウインドウが都会の雰囲気を醸し出す。
その前では昔ながらの太鼓が打ち鳴らされ、餅つきに人が群がる。
現代と昔のコラボが初市の醍醐味だな。

「やんだぐなたがぁ」
「ほだなごどなーい。一人の時間も楽しいがら」
ちゃんころまいで喜ぶのも子供、右隅で一人を楽しむのも子供。

「オレが中学生の頃は、初市がなくても日曜日はこの半分ぐらいは人がいだっけ」
「ほだな昔のごどばっかりゆて、懐かしんでだてしょうがないべず」
「安心してください。未来の大人たちは山形ば好ぎに違いないがら」

「食うどごば人から見られんのも恥ずがしいべぇ」
通りに背を向け、階段に向かって食べる気持ちは分かる。

鳥取にスタバはなかったが、砂場はある。
山形に雪はなかったが、びじゃかはある。

びじゃかがあれば子供の本能が目覚める。
親からごしゃがれるもの知らずに。

クリスマスの名残が光も放たず、喧噪を静かに眺めている。

「まんず、目出度すぎでまぶしくて目がくらむぅ」
色の無い冬の山形だからこそ、派手な彩りは好まれるのかもしれない。

「おがぐらが休んでだりゃ」
「てろてろて、いい艶しったなぁ。オレなの乾燥肌でがじゃがじゃだじぇ」

「めんごいもんだま」
おばちゃんはちゃっかり頭を撫でてにっこり。

「寒いがら早ぐ終わすびゃー」
勝手な想像をしてすみません。太鼓の人々は決してそんなことを思ってないと思う。

餅は食うもので、突くもんじゃないというのが一般人。
餅は食うものじゃなくて、それを突く子供を撮るものというのがお母さん。

「こだい柔らかくなるんだねぇ、しゃねがったぁ」
「オレの突き出た腹よりも綺麗で柔らかいし、赤ちゃんのほっぺたみだいに愛おしい」

餅つきに興じる子供たちを見ると、連綿と続く日本人の血を感じずにいられない。

「なして団子木なてあるんだべなぁ?」
色の無い雪国独特のものなんだべなぁ。

顔を出した青空に団子木が映える。
やっぱり団子木を見ると山形の一年が始まったと感じるのだから、私も根っからの山形人なんだな。

「あたしば撮らねで玉こんば撮ったら?」
「いやいやお姉さんも玉コンも肌艶々だがらぁ」

「玉コンはどさいった?」
玉コンはかわいい唇に両側から挟まれて赤面している。

「んまいねぇ」
「あったかいねぇ」
ほんわかの空気があたりに漂う。

玉コンは旨すぎる。子供たちはかわいすぎる。
これが山形の神髄。

◎霞城公園内初の花火大会をみるべく、霞城セントラルに陣を構える。
ところが、小雪が霞城公園方面より吹き付け、レンズに付着する。
花火も靄?雪?に霞んでよく見えない。(さすが霞城)。
そんなこんなでしょぼしょぼの写真になってしまいましたが、時系列でご覧ください。

18:01

18:03

18:07

18:16

18:22

18:23

18:23

18:25

18:27

18:28
TOP