◆[山形市]べにっこひろば まだまだ熱い子供たち(2015平成27年8月15日撮影)

「花火大会は終わたし、鶴岡東は負げだし、夏も終わりだんねがぁ」
ベランダのゴーヤをなんとなく眺めながら夏の終わりを予感する。

「べにっこひろばて、どさあっかしゃねべ?ちぇっと大通りから入ていがんなねのよ」
「なしてこだなトラックば写すんだて?んだがら山形市内から来る人は、今塚街道のこごば目指して来っどいいどもてっだな」

いづのこめが出来上がったべにっこひろば。
駐車場もある程度広いし、とにかくお金を使わないならここが一番。

「まだどの辺だが分がらねが?右さ北ジャス、左さ済生病院が見えっべ」
「なに?葉っぱ邪魔で分がらね?」

「こんで分がっべ。南東の方向さ竜山が見えっから」

「それにしてもよぅ。今日だら花火大会も最高だっけべなぁ」
「んだっだ。天気もいいぐなたしある程度風もあるしねぇ」
頭を垂れてきた稲穂は、風を受けて波打ち始めた。

なんぼ暑くても子供たちにとって夏は終わりたくない季節。
これからは急転直下、滑り台のように秋へ向かっていくはずだ。残暑が長いとの予報もあるけれど・・・

「おんちゃん、このクルクルば見るだげで目が回りそうだ」
輪っかの中心に着いたらどこへいけばいい?

「ビスコがコスビになったどれはぁ」

「おかないがら離さねでなぁ。んだがら黙って押さえっだどれ」
「んだがら話してもいいがら、離さねでぇ」

山形市は予算が足りなかったのか、なにか別の理由があるのか。
みんな民間で活躍してきた缶が集まっている。

腹と腹がくっついて、父親は暑くてたまらないだろうに。
でも、赤ちゃんがおがれば、こんな風にくっついてはくれないから今のうち。

「ちゃんと一列にならべよぅ」
「並ぶもなにも一列にしかならんねんだがら」

やっぱり山形市には予算が足りないのか、造花が子供たちを迎えている。
そんなことはお構いなしに、子供は滑り台へ一直線。

手を離すときに勇気はいるが、これが快感。
はたして親の手を離れて飛び立つまであと何年?

「おかないんだべ?」
「おかなぐな〜い」
「んだて足はばがて、ブレーキかげるようにしったどれ」

みんな黙って数秒間股に噴水を掛け合っている。

子供は水が大好き。
なにもかも忘れてぴょんぴょん跳ねる。

噴水に包まれて、きっとこれほどの快感はないだろうというような表情。

雨上がりで付いたサンダルの泥を洗うのも噴水。
そんな子らの影が濃さを増す。

モグラたたきか?
とにかく吹き出る噴水を踏んづける楽しみ。

男の子はじっと滝行のように水に打たれる。

女の子はじっと身を清めるように水に被さる。

「わっ、冷たい!」と思いつつも、水の楽しみを体が知ってしまった。

「いづまで、はんばがてるんだず」
「んだて、この世のものとは思えない気持ちよさなんだも」

最初は恐々、なかパッパ、後から強火のように跳ね回るはず。

子供たちは格好なんか気にしちゃいられない。
大股開きが水面にも映ってる。

「ズボンがズダズダだどれはぁ」
「ズボンだげんね。Tシャツもだぁ」
あとからお母さんにごしゃがれるのはいうまでもない。

真夏の水は止まって見える。
それほどに太陽光が強いってことか。

「水から吸い込まれるぅ!」
「そのままこっち向いだら貞子だべぇ〜」

全体を見回せばたいした広さでもない。
でも子供たちにはワンダーランド。
大人になってから見ると小さく見えるんだろうな。

「頭冷やせ」
「わがた。ごめんなさい」
男の子は平謝り、女の子は不敵な笑みを浮かべている?

奔放!
あふれでる喜びを全身で表現している。

何を考えたか、ペットボトルをかざす子供。
水を入れたいのか、ただ単に水しぶきを楽しんでいるのか分からないが、それでいいんだ。なんでもやってみっべ。

泣いているのか、太陽がまぶしいのか。
子供には恥も外聞もない。何もかも忘れて自分の世界に堂々と浸っているんだ。

午前中までの雨がうそのよう。
太陽さえ出ればこっちのもんだと、子供たちは跳ね回る。

「子供ば見でんのも暑くて大変よぅ。」
父親はぼやきながらも、滅多にないふれあいを大切にしている。

「なんだてやがますいずねぇケロ」
「人間もおらだど同じで、太陽でっど嬉しいんだべぇケロ」
すぐ脇の草むらでは、蛙の群が水欲しさに子供たちを眺めていた。
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