◆[山形市]第6回 ハロウィンパレードin山形(2014平成26年10月18日撮影)
今年はお二方の親子をメインに、パレードコースを追っていきました。
撮影するに当たり、快諾頂いたお二人のお母さんありがとうございます。
尚、お二人のお母さんは山形出身ではないそうですが、便宜上会話は山形弁にしてます。

「なんだが今日は、へんてこな人がごやごやて集まてくるねぇ、なんだべねぇ?」
鳩は突然聞かれて、鳩が鉄砲玉を食らったように面食らっている。

「写真撮らせでけらっしゃい、一応主催者さお断りしておぐがどもて」
「写真なのなんぼ撮ったていいべぇ。逆に撮ってけねどごしゃがれっべな」
なんとも寛容な駅前商店街のみなさん。

「ぽっぽ?どさいだの?鳩なのいねよ」
「目の前さいだどれ、汽車ぽっぽよぅ」
まだ青い紅葉から陽光がこぼれてくる。

足下を見て、ああ秋だったんだと気づく。

「ほだい綺麗な格好しったのに汚すべな!」
どんな格好をしようが、馬の目の前にニンジンがぶら下がっているように、子供たちの目の前には遊具がある。

子供が仮装するのは珍しくない。
でもお母さんたちも凄いメイク。そうだ。親も一緒に楽しまなくっちゃ。

パレード出発までの待ち時間は、お互いの衣装の見せ合いっこ。
子供たちはちょっとはにかみながらも誇らしげ。

「ちぇっと待ってぇ、まだ出発すねでぇ」
遊具があるし、パレードがあるしで、子供たちは興奮を隠しきれない。

昔なら、なんて格好を!なんて怒られそうなメイク。
でもハロウィンだからすべてが無礼講。

血の涙を流しながら、お母さんは微笑む。
このワンシーンだけ見れば血も凍るホラー映画。
渾身のメイクなのでググッと寄ってみました。

「パレードさ出発する前に準備運動ねぇ!」
「もっと足はんばがてぇ!」
子供にとっては結構な距離を歩くので、事前の体操は不可欠。

「ハイ、腹ボテにならないように体を動かしましょう」
グサッと言葉が突き刺さり、思わず腹を引っ込める。

「しゅっぱーつッ!」
「みんな街さ行って、たがてこいよ〜」
「失礼。んでもトリックオアトリートって、山形弁に訳せばたがるてゆうごどんねんだが?」

ビルの隙間に青空の広がる駅前大通りを、闊歩し始めの子供たち。

第一番目のお店に到着。
なにをもらえるのか、子供たちは興味津々で目を輝かせる。

お菓子を頂いたらお店の前で記念撮影がお約束。
でも、子供たちはさっさと二番目の店へ歩き始める。

「あたしだ手羽ばつなぐど、影も手ばつなぐんだね」
「んだら、ずーっとつないであべ」
スズラン街にかわいらしい子供たちの声が響く。

「あたしだはコウモリ組だがらねぇ」
駅前をいくつかのグループに分かれて、子供たちはここぞとばかりに衣装を競う。

「ハイ。二番目のお店でパチッ!」
親たちに見守られて、一生懸命ポーズをとる子もいれば、どこ吹く風の子もいる。

「ハイ。三番目のお店でーす」
「こごでは東京出張の帰りにラーメンば食たもんだぁ」
おじさんの独り言はまぶしすぎる陽光にかき消される。。

「なに食だい?」
「こいず食だい」
「ショーウインドウ見るんなら、もらうものもらてがらにすっべ」
「確かにリアルでそそるげんとなぁ」

お母さんたちの子供を見守る目は・・・怖い。

今度は尻尾を振り振り、駅の中へ入ってゆく。
「何も知らない構内の人々はびっくりすっぞー」

まだまだ子供たちは元気。
やんだぐなる脱落者も出ず、子供たちの足取りは軽やか。

「一等賞とるんだがら!」
一人が階段を駆け出すと、続く子も一目散に駆け出す。

「山形ではエスカレーターのどっち側さ立だんなねんだっけ?」
「今日はほだなごどゆてらんね。てゆうが、いつもほだい人いねべ」

「どっちいい?どっちも?困たなぁ」
お兄さんは笑顔で小さな袋を差し出す。数が足りるんだべがと心配しながら?

駅のペデストリアンデッキは一時、小さなゾンビたちに占領される。

「はぁ?何いまの」
ペデストリアンデッキからエスカレーターで降りるゾンビたちを、駅へ急ぐ人々が振り返る。

駅の後は再び駅前通りへ。
お母さんたちにとっては、チョロチョロする子供に目を配り、抱っこした赤ちゃんへ気遣い、
人の視線も気になるという大変なパレード。

「ほだないがら、早ぐあべはぁ」
「んだてこごさ何が書がったじぇ」
どんなときでも子供たちは興味のある方へまっしぐらに道草。

まだまだお母さんたちは憑かれた様子もない。じゃなかった。疲れた様子もない。
血糊の付いた顔に秋の日差しが心地良い。

「ハイ。そろそろ終盤だがらねぇ」
誰も疲れていないのに、カメラマンの自分だけが、後どのくらい?と気になりはじめている。

今日だけは子供が堂々と入れる宝石店。
一瞬、親たちは子供から目線を外し、宝石へ向く。

なんとも愛らしい鼻や口元。
これは子供だから愛らしいんであって、おじさんがやったらと思うとゾッとする。

ラストが近い。つまりかなり歩いたというのに子供たちはまだまだテンションが高い。

テンションが上がりまくり、ここ一番のポーズとる。

「お帰りぃ。」
幼女と鳩は、次々帰ってくる小ゾンビたちを第二公園入り口でお出迎え。

「どれんだら最後の決めポーズが」
「今日はほんてんありがどさま〜」
別れ際にとっておきのポーズをしてもらい私は満足。
お母さんたちと子供たちは、変なおじさんがつきまといどう思ったのだろう。
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