◆[山形市]南館歩道橋 夏から秋へ跨ぐ(2014平成26年8月30日撮影)

遂に完成した歩道橋。
「南沼原歩道橋て名前だど思たら、南館歩道橋てが。ま、いっだな」

「南沼原小学校て、昔はまわり何にもないんだっけじぇ。んだて、文集の名前も「はらっぱ」だがらねぇ」
木造で風が吹けば倒れそうな校舎だったのに、今はマンモス校だという。その向こうには富神山が見える。

「やっぱり高いとごから見る街並みはいいずねぇ。しかも日中なの誰も歩道橋ば通らねし」
竜山は人が何を思おうと、黙って街並みを見下ろすのみ。

ちょっと街が開けてきた頃に「みつます」があった場所。
街は時間とともに変化する生き物といえる。

歩道橋の真ん中で東を望む。
ムーミン谷に向かって国道348号がまっすぐ伸びる。

「秋なのに暑いずねぇ」
「なにゆてんの。まだかろうじて8月だじぇ」
鍵盤を踏みならすようにして子供たちが歩道を渡る。

「かろうじて校章が見えっから南沼原小てわがっげんとなぁ」
狭い隙間に押し込められたようになって肩身が狭そうな校舎。

「足悪れ人のためにエレベータも造るんだど」
それはそうと、とりあえず南北に歩道橋はできたが、造りを見れば東側へも延びるように造られていた。
「ま、とにかぐ夏から秋へ跨ぐ歩道橋がでぎだってごどっだな」

「なんだて味わいあっずねぇ」
「やっぱり味わいっていうのは一朝一夕ではでぎねもんだな」
そういいながらも、ここで食べたことがない。

「瓶だはみんな日陰さ避難しったがぁ?」
「間もなく9月ったて、まだまだ暑いものぉ」

国道の騒音を受け止めながら数十年。
冬は寒風が吹きすさんでいた昭和。平成のこの界隈はこれからどう変化していくのだろう。

樹木の影がフライパンの上でジュッと音を立てるようにして、アスファルトに張りつく昼下がり。

ニラの花は微笑みを投げかけているのに、日傘は音もなくアスファルトに濃い影を造りながら通り過ぎる。

向こうに千歳山が見え、蔵も電信柱の影に隠れて見える。
だからこそ間違いなく山形市だと断言できる光景。

家並みの隙間に日が差し込んでいる。
暗がりの中でポッと蔓が灯っているようだ。

「トタンは暑いど思てっべねぇ」
棒の影もデグデグになって暑さを訴える。

「今日は曇りで雨も降っかもすんねていう天気予報だっけべぇ」
フェンスはバックリと口を開け、その隙間へプラチェーンはだらりと力なく垂れ下がる。

「この辺は街のはんずれだっけっだなね」
南館の古峰神社で水を飲みながら昭和を思う。

「死んだみだいな目してねが?」
「なにゆてんの。青空ば反射してこだい輝やいっだどれ」
退屈してすっかり眠っているのかと思った。

「ゴミ置き場だど思って、誰も近づがねど思ったらぁ」
道路脇の草花たちは朗らかに手を振っている。

さび付いたフェンスでも役に立つことはある。
その証拠に蔓がしっかり抱きつくように、すがるように巻き付いているじゃないか。

「指がゴワゴワして動がねぇ」
「柔軟剤ば入れねで洗濯さっだがらんねがよ」
太陽は軍手からカチャカチャになるほど水分を吸い取り、ついでにやる気さえも吸い取ってしまう。

天を向いている実をみながらなんだべと思った。
恥ずかしながら図鑑を調べ、始めてオクラだと知った。
この驚きはバナナの成り方を知ったときに似ている。みんな上を向いて成るんだねぇ。

なんということはない。ただ柔らかい秋色になってきたなぁと感じ入っただけ。

ピント合わせを間違った。
ほんとは旬になろうとしている背後の葉っぱを撮りたかったんだ。はてなんの葉っぱでしょう?

これで分かりましたか?ハイ里芋です。
どうみてもウルトラマンにでてくる怪獣の顔みたいなんだよなぁ、里芋の葉っぱは。

さっきまで里芋だけを話題にしてゴメン。
一応トンボもアップしておきます。一応ってなんだコラァ!
トンボの複眼はごしゃいっだがどうかサッパリわからない。

ゴーヤの蔓は秋近しの空気の中で、何につかまったらいいか困り果て、ただクルクルとこごまっている。
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