◆[山形市]第23回 日本一の芋煮会(2011平成23年9月4日撮影)


「いやぁ、山形さ台風来ねくていがったぁ」
「ほんてんだ。ほだな来たらオラだ皆こごらげでしまうっけもはぁ」
コスモスは芋煮会関係者と共に胸をなで下ろす。

「ヤマザワどおーばんとヨークベニマルと生協とマックスバリュのどごが里芋安いがチェックしったのが?」
「んねぇ、うちさ帰てがら食うものあっかメールしったの」
お昼に芋煮を食べて、夕食に芋煮でも苦にならない山形人。

「早ぐ食いあべずぁ」
「オラだはスタッフなんだじぇ」
「スタッフは辛いぃ。匂いだげじゃ腹一杯ならねもの」
黒山の人だかりを越えて、香ばしい匂いが流れてくる。

「ちゃっちゃど歩げ。なぐなっど悪れがら」
「ほだい急がんたてぇ、手痛いずぅ」
なんだかんだ言いながら、お互いに手を離さず花壇の脇を歩き去る。

「オラだも因果な仕事だずねぇ」
「目の前で芋が煮えんのば、指くわえで見でらんなねんだじぇ」
「指ばくわえねで箸ばくわえで見でっかっす」
芋煮会が成功裡に終わるように、警察の方々は鼻をクンクンさせながら目を光らす。

「ほれほれ見でみろぅ、蓋が上がて空さ浮いっだぁ」
「いよいよ今年も始まるっだなねぇ」
蓋が浮いたと同時に、人々の腰も少し浮き、喉が鳴る。

「束になってかがてこい」
束になった割り箸が、押し寄せようとする人々に宣戦布告。

「今年はすんばらすい屋根付きだずねぇ」
「一日は長いがら、まんずゆっくり待ってんべはぁ」
屋根の奥に千歳山が顔を出している。山形にいるという安心感を醸すように造られた屋根?

「何秒手ば入っでるいが競争すっべ」
「ほだなごどしてる暇ないべず。んでも暑いがら混ぜでけろ」
まだまだ冷たい物が心地よく感じる季節。

「皆しておかがったがら、鉄のポールが悲鳴あげっだほれ」
ポールは撓(しな)りながらも、尻に敷かれることがまんざらでもない。

「キャーッ、誰が助けでけろ〜」
「重だいがら助けでけろなんだが、冷たくて助けでけろなんだが分がらねぇ」
「どっちでもいいがら早ぐぅ」
指はしびれ始め、笑顔が引きつってくる。

「オマエ何しったのほだんどごさぶら下がて?」
柄杓たちに冷たい目で見られ、
場違いなところに干された手ぬぐいは、
大鍋の煙が目に染みるし、どうしたらいいか分からない。

「右が男のペットボトルで、左が女のペットボトルだべ?」
「なして分がんのや」
左のペットボトルは腰にシュシュを巻いている。

大鍋の子分たちがアパーと口を開け、太陽の日差しを浴びながら今年の初芋煮を待っている。

みんな同じ格好だがら、せめて腰の手ぬぐいで個性を出してみました。

去年までは無かった水車まで現れ、クリーンな水力をアピールする。

「今年のペロリンは低いずねぇ」
台風に配慮して遠慮がちに腰を低くして浮かぶペロリン。

「人ずぁ、なして目の前さ橋あっど渡だっだくなるんだべね」
「馬見ヶ崎の真ん中で、風さ吹がれっど気持ちいいじぇ」
人々は川の流れに沿って吹く風に涼を感じ、渡り終わって喧噪の会場へ吸い込まれてゆく。

「こごさいっど日差しは当たらねし雨は防げるし、いいばっかりだぁ」
双月橋の橋の下に腰掛け、上を走る車の振動を感じつつ、芋煮の匂いを鼻先で探す。

遠くに月山・葉山を眺める芋煮会。
いや、おそらく遠い山並みになんか誰も目がいっていない。
このときばかりは大鍋に目が釘付けのはず。

「分別のある人は分別してゴミ投げでけろなぁ」
「分別があっても、ゴミ投げでけろという山形弁が分からない人はどうする?」
分別のない愚問だと言われそうなので、立ち去ることにする。

「どれくらいの階級の人が被るものなんだべね」
帽子は威厳を放つだけで、何も応えてくれない。

「いっつも厳しい顔してるわげんねんだねぇ」
「さ、どうぞ乗ってってください」
無骨な車両の脇に笑顔があるとホッとする。

自衛隊だぞうと言わんばかりの顔つき。
三畳間くらいの部屋ができそうなボンネット。

「庄内の芋煮だて、んまいんだじぇえ」
豚汁というと庄内の人はごしゃぐらしい。それにしても勝手にゴクンと喉が鳴るのには困った。

「でか!こんでも、あの大鍋よりちゃっこいんだずね」
山形は日本一の気温から陥落した今、大鍋だけは日本一を死守しなければならない。

「いづでも車の排気ガスば浴びでんのに、今日ばっかりはみんな歩きなんだずねぇ」
「しかもよ、なんだが何がさ憑がれだみだいにしてみんな歩いでんのよ」
「きっと、あの香ばしい匂いのせいなんだべなぁ」
草花はいつもとちがう光景に、目を白黒、いや花びらを黄色やピンクに染めている。

一言いいたい。
なんでマスコミや関係者しかゴンドラに乗せないんだぁ。(本気で怒る)
マスコミや関係者なんて、いっつもありきたりの画像しか撮らないじゃないか!
もっと本気で芋煮会を表現したい人々に乗せて欲しいよまったく。(プンプン!)

「おお見える見える。里芋がそろそろやっこぐなてきたなぁ、牛肉もかなり味が染みてきたみだいだ」
「ほごまで見えるがっす?」
「二十年以上も通てっど、分がるっだなぁ。山形人だも」

「最初にこごさ行って、次はこご。そして次はえーとえーと・・・」
「ほだいあっちゃこっちゃ行ったらくたびれっべした」
会場案内図を見ながら、足を踏み入れる前に親子は思い出づくりの構図を描く。

「会場はあっち。匂いば頼りに行くど分がっから」
案内の人が何も言う前に、人々はバスを降りて、足取り軽く会場へ一目散。

※ここから先はコメントはありません。
シャトルバスに乗った気分で、落合の総合スポーツセンターまでの光景をお楽しみください。

馬見ヶ崎の左岸の土手を北上する。

前方に馬見ヶ崎橋が見える。
といってもあれは仮設橋。今、橋の架け替え工事の真っ最中。

左手に工業高をみながら、護国神社方面へ右折。

護国神社の鳥居をみながら、馬見ヶ崎橋のたもとを左折。

薬師堂を右手にみながら西進。

六日町角を右折して北上。

右手の道路の向こうは二口橋。

銅町を北上。

千歳橋のたもとで右折。

千歳橋を渡りきれば、間もなく落合の総合スポーツセンター。

「あー、くたびっだぁ。腹は満足したげんともなぁ」
スケート場の脇を、なぜかみんな重い足取りで家路につく。

TOP