◆[山形市]花笠祭り 山形の夏が頂点を迎える(2017平成29年8月5日撮影)

太陽はまだ高い。
人々は山形最大のお祭りに、三々五々集まりつつある。

西日がまぶしい。
人々の姿形が花笠への期待と一緒に、くっきりと地面に張り付く。

「まだなんだがずぅ」
「果報は寝て待てだべした」
「何それ」
「しゃねげんと、なんとなく言葉がでだ」

注目の的が到着。
おばちゃんたちの黄色い声が辺りを包む。
主役は花笠の踊り手なのだが、このときばかりは男バス(ボンネットバス)が主役の座を奪う。

テレビでは「ぎんれい」の文字が隠されていた。
でも一瞬ですぐに山交バスって分かった。
だってあの色、あのマークは体が覚えていたからね。

おじちゃんが腰をかがめて一生懸命撮っている気持ちが痛いほど分かる。
ところでウインカーは確かパタパタと動くタイプじゃなかったんだね。
それはもっと昔のタイプなんだべが。

威風堂々とメインストリートを駆け抜ける姿に、昭和の偉大さを感じる。

「ほっちたがて」
「こっちほろげっどら」
慎重に太鼓を設置する。

雲間から太陽の筋が放射状に伸びる。
人々はそんな光の動きに注意を払う余裕も無い。

「いよいよ始まっぞーッ」
文翔館ですら、そのときを待っている。

目一杯の笑顔を振りまき、花笠祭りがスタートした。

一年ぶりに第一陣を迎える。
いつものパターンだが、今年も来たかとカメラをしっかりと構える。

太鼓の音はビルに反響し、人々の心も揺さぶっている。

まだまだ汗が噴き出している様子は無い。
これからの数時間で真っ白い足袋はよれよれになり、すね毛の間には汗が光ることだろう。

次から次へと押し寄せる踊り手たち。
くそ熱いときに大変だげんと、それ以上に踊る喜びの方がおっきいんだべなぁ。

首のかしげ方がかわいい。
「お母さんに化粧してもらたんだべが」
大音響の音楽の中で、ちょっと頭をかすめてしまう。

「せっかぐあでやかなんだがら、笑顔だぞーッ」
「そろそろやんだぐなたのんねべな」なんて言われないように。

観客の人いきれ、踊り手の熱気。
七日町通りはムンムンムレムレ。

「もう少しでゴールの文翔館だはぁ、頑張れーッ」
「笑顔が消えかがてっぞー」

文翔館に見守られながら、
達成感とほどよい疲れが笑顔に現れている。

議事堂前には露店が建ち並び、噴水の前には黒山の人だかり。
「花笠ば見に来たんだが、涼みにきたんだが、食べにきたんだが分がらねなぁ」
「その全部っだなぁ」

昔、厳粛な場だった議事堂は、今、完全に山形のエンターテイメントの主会場となっている。

「蚊から食んねがよ」
「大丈夫、しっかり塗ってきたがら」
虫除けと日よけとスマホは必需品。

四方八方からライトで照らされ、人々の影も右往左往している。

「どだな時代になても、文翔館は山形の主役だずねぇ」

県民会館の石垣に登り、花笠を見守る。
もちろんストローは絶対に離さない。

この像は何度でも撮る。昼でも夜でも。
「んだて、俺が中学生の頃から子供ば抱っこしてるんだじぇ。
しかも、あれから五十年も経つというのになんて若々しいんだべ」
「俺の周りの五十年前のうら若い乙女たちは今・・・・・・」

一応定番てことで撮っておく。
駅西口に県民会館ができたら、ここはどうなる?
県のことだから、またさまざまな不手際があるんだろうなと疑ってしまう。
県職員は単に仕事だからと割り切らずに、本気の山形愛で事に当たって欲しい。

学生たちはどこにでも屯(たむろ)する。
まるで屯するのが学生の本分だとでもいうように。

賑わいはまだまだ序の口。
時計台もまだまだ宵の口の長針短針を指している。

うなりとなって花笠の音と人々の熱気が押し寄せてくる。
山形の夏は今、最高潮に達している。
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